彼女たちの流儀


彼女たちの流儀

彼女たちの流儀



流儀 ①物事の仕方、やり方
ということでまず難しい漢字使わないで下さいよ。
主題歌でも「私のやり方」なんて歌っているですから
そっちでいいじゃないですか。
流儀なんて極道映画ぐらいでしか見たことありませんよ、全くもう。
社会人になっちゃうとこんな言葉の意味にすら
自信が持てず辞書を必要とする次第です。



○基本情報
種別  …ADV
CG枠 …90(差分含まず)
回想枠 …34
     鳥羽莉11  朱音8  千佐都3 
     せせり4   涼月5  火乃香3
音楽枠 …30曲



○CG
〜基本綺麗 ただ逆に歪みが気になる〜


原画はいつもどおりのみやま零
メリハリのあるデザインが売りのみやま先生ですが
プリブラプリブレの時よりもお肉が少しついて見えるデザインに感じました。
ただ、ロリ=棒といったデザインを自分は是だとは思っていませんので
女の子らしい丸みと年齢にあった上手いデザインだと思います。
彩色は実に綺麗。このレベルであれば何も不満はありません。
プリブラ等で不満の無かった人なら違和感を感じることは無いと思います。
ただ、時たま歪んでいるように見えるCGや更に幼く感じるCGも
ちらほらとあり、基本が綺麗ではあることにより少しの揺れが気になりました。



○キャラクター


兎月 胡太郎
 主人公。巻き込まれ型。主体性はわりとない。
白銀 鳥羽莉
 メインヒロイン。主人公の下の姉。万能型。無口。
白銀 朱音
 主人公の上の姉。小悪魔系天然。お昼お昼お弁当。
花葉 千佐都
 幼馴染。委員長。
由希 せせり
 後輩1。天真爛漫。
秋名 涼月
 後輩2。ツン。100ツン。
弓曳 火乃香
 ハウスメイド。ほぼ完璧超人。



○シナリオ
主人公とその姉たちを中心に文化祭までの三週間を進めていくADVです。
各シナリオは二週間ほどの共通部と一週間ほどの個別ルートで構成されており
全篇しっかり読んで1プレイで5〜6時間ほどでしょうか。若干短めですね。
自分にはちょうどよかったですが短いと感じる人はいると思います。


まず最初に思ったことは原案となったみやま零の「不機嫌な〜」シリーズとは
かなり雰囲気が異なる点でしょうか。
陰陽で表現すれば間違いなく陰、笑いは排除だった「不機嫌」とは異なり
カノギは主題歌やあらすじの雰囲気は「不機嫌」を踏襲していますが
通常の会話シーンから笑いがしっかりと散りばめられている
陰陽あいまぜになった作品となっていました。
自分は体験版はやっていなかったのですが
これから購入を検討される方はそれを踏まえて
まず体験版をやって作品の雰囲気をお確かめ下さい。


作品構成について〜
各女性キャラには各一つのエンディングがあるのですが
鳥羽莉だけはメインヒロインとしての面目躍如でしょうか
エンディングが二つとなっています。
各キャラクターのシナリオをクリアするとタイトル画面が変わり
二つ目の鳥羽莉エンドにいけるようになりますのでお忘れなく。


ゲームとしては選択肢がかなりありちょこちょこ迷いますが
会話の整合性が乱れるということもありませんし文章も読みやすいです。
共通ルートは胡太郎の家での生活と学園生活を繰り返し
胡太郎がヒロインを演じる芝居の練習を繰り返していくのですが
序盤は朱音とせせりが勢いでぐいぐい引っ張っていってくれますし
終盤シリアスな所はシリアスにちゃんと押さえられている感じです。

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これ以降何度書いてみても過剰なネタバレにしかなりませんでした。
純粋な筆力不足です、すいません。
翌日7/2にシナリオの細かい所は書くことにします。
未経験で読んでいる人は覚悟を決めてからでお願いします。

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○演劇
正直にいうと演劇というものに関する知識は空っきしなので
そこらへんはもう鵜呑みにするしかないのですが
シナリオでの演劇という場面設定の使い方はカノギの一つの見所です。


演者の心理状態と役柄の心理状態を合わせたり
アドリブとしてキャラクター同士の本音を演技に取り込んだり、
各シナリオ毎で演じる演目は同じ舞台なのに細部を変更することで
演劇という舞台は様々に姿を変えていきます。
また、ただの芝居ではなく作品の根幹となる演劇となっていますので
これから始める方は注目しておくと色々な楽しみが生まれるかと思います。
特に鳥羽莉シナリオと朱音シナリオの演劇の使い方は良かったです。


逆に涼月シナリオは自分は一番最初にクリアしたので気づかなかったのですが
文化祭の演劇シーンを他のキャラとは比重の違う取り扱いにしています。
全てクリアした後だと演劇という題材をからませやすいキャラだけに
初回限定の「彼女たちの祝儀」で声優さんのコメントになっていた
「他とは雰囲気の違うシナリオ」という発言は
こういった点ともつながるかもなと思いました。



〜声〜
鳥羽莉の声を聴いた瞬間。
ナースにお任せの京都→涼森ちさと→…葛城じゃん!
と、なりました。そうきたかといった感じです。まぁ、あっているかと思います。
個人的にはあさり☆(朱音)の演技が好きです。
興味のなかった朱音が好きになる位演技と台詞と声質が噛み合っていました。
他に気づいたことでは割とこもった感じの声の人が多かった気がします。
紬叶慧(涼月役の人)とか春野萌(火乃香)とか若干あさり☆(朱音)も。


ただ、この人たちは単純によかった人で。
今回の最も気になったのは千佐都の中の人、櫻エレナという人でした。
まず欠点。とりあえず演技が入ってきた時、舌が回らな過ぎです。
語調のアクセントも妙に強調されてしまい、結果、
真面目なシーンがパトロンを逃すまいとするフィリピーナみたいになっています。
もうダメでした。カノギ手持ちの人は再度聞いてみてください。
とはいえ、エロシーンになるとこれが逆に生きて不思議な演技をされています。
なんというか、発声を言葉に表すとこんな感じです。
「まず空気を声にからめてその上で台詞毎にセックス中の動きを
想定した呼吸の乱れを再現して間を取り声を強弱する」
と、いった風に聞こえているのですが
これが胡太郎の声の人と比べてみると臨場感が格段に違う迫真の演技です。
これにプラスして、ラストシーンが近づくと凄いしまりの無い声を出します。
鳥羽莉のエロシーンでは台詞からして言葉を「にゃ」とか「にゅ」とかに変えて
呂律が回らない感じを表現していると思うのですが
そんなことしなくても演技だけでそれをやっています。何このファンタジスタ
一般シーンは他の人より一段レベルが低いのにエロシーンは断トツって…。



〜エロ〜
設定上、朱音と鳥羽莉とのエロシーンは多いです。
ただ、特段記憶に残るエロさはあまり無かったです。
自分は割りと普通のセックスより変なエロに反応を示す傾向があるので
一般的なエロが多かった本作ではあまり反応はしませんでした。
涼月の設定が個人的によかったぐらいです。


ただ、声エロなら千佐都。レベルが違います。


〜総括〜
演劇は作品の設定で止まらず全体を盛り上げる役目を担っていて
キャラクターは魅力的。エロは作品にしっかり必要とされており
エンドまでじっくり感情移入が出来るいい作品でした。
二週目以降もしっかりと楽しめました。
次の130cm、次のみやま作品にも期待していきたいです。


忘れてた。
バナーキャンペーンの御褒美壁紙の置き場所がメールで届いたのですが
該当ファイルがメール到着当日から本日まで死に続けています。(7/1現在)
減点5。