Sugar＋Spice

当初全く注目していませんでしたがこのソフトはいいものです。
というわけで体験版も発売前の評判も盛り上がりも全く存じておりません。
ちょっともったいないことをしたと思うばかりです。

ネタバレを含みます。未購入の方はお気をつけ下さい。

Sugar+Spice! (シュガースパイス) 初回版

○基本情報○
種別　　…オトメカイセキAVG
回想枠　…２７（エロ回想のみ）
　　　　　オトメ５　
　　　　　ピョン６
　　　　　ハモ５
　　　　　ジジ５
　　　　　ミャンマー５
ＣＧ枠　…エロＣＧのみあり（※感想本文補足）
イベント回想枠…５２７
音楽枠　…３３曲（内歌付７曲）
シナリオ…草壁よしお、森崎亮人、師がない弟子
（あまなつ（同メーカー）／ Pure×Cure（同メーカー））
原画　　…ぎん太
（あまなつ（同メーカー）／ Pure×Cure（同メーカー））

○キャラクター○
・春瀬　歌（ハモ）　CV：有栖川みや美
　子供の頃からの知り合い。嘘つき。料理が上手い。
・南条寺　夢路（ジジ）　CV：安玖深音
　子供の頃からの知り合い。お寺の長女。才色兼備だが一つだけ弱点が。
・足利　はねる（ピョン）　CV：倉田まりや
　クラスメイト。陸上部所属の特待生。胸担当その１。よく動きよく食べる。
・深山　藍衣（ミャンマー）　CV：桃井いちご
　実家が銭湯の幼馴染。主人公とは絶縁中。猫をかぶるのが上手い。
・早乙女　司（オトメ）　CV：金松由花
　主人公の寮の隣部屋の住人。引っ込み思案なイギリスからの帰国子女。

○絵関連（原画・ＣＧ・デザイン）○
まずは原画から。
同メーカーの一作目二作目に続き続投の絵師さんです。
前作・前々作と購入していないので変化はなんともいえませんが、
立ち絵等を見る限り、純愛系の絵を書く人にしては
引き出しのある方だと思います。
立ち絵と一枚絵との間での雰囲気のズレもほぼありませんし、
はんこ絵でもありませんでした。
あと、立ち絵などでのバランスもメリハリが効いていて
スッキリ綺麗な絵という印象を受けました。
個人的にはキャラクターの表情が上手いと思いました。
購入する際に少し迷いがあったのですがパッケ裏のＣＧの表情で
「あ、これは買いかも」と思える印象を受けました。

お次にＣＧ。
一作目二作目と使用している色彩が原色に近く淡かった塗りが
前作に比べて色の強弱がかなりはっきりしています。
白さが目立つ塗りで良く言えば繊細、悪く言えば素人っぽかった印象が
がらっと変わっています。
エロゲーメーカーにとって彩色の技術は肝であり
その雰囲気を変えるのは割と決心がいることだと思います。
その変更した塗りは本作の作品自体のポップな所と
良くあっていると思います。

最後にデザイン。
この項目に関しては今年のエロゲの中でもほぼ最高クラスだと思います。
使いやすさは別としてゲーム内のコンフィグや回想、
チュートリアルやロード画面まで全てゲームの内容に沿った雰囲気に
統一がなされていることは勿論、パッケージのデザイン性、
請求力の高さはちょっとエロゲとしては抜きんでていると思いました。
パッケージ裏で購入意欲がはっきりと増したのはちょっと久しぶりでした。
ちょっと比較対象と合わせて上げときます。


アリスの方は自分は普通のパッケージ裏、
チュアブルの方は面白そうと思ったパッケージ裏です。
どっちも購入はしているので結果は変わりませんが並べてみると
違いが良くわかりました。

○システム○
一ヶ月ごとに行動ポイントが決まっており、そのポイントの中で
イベントを選択していくゲーム。期間は１月から１１月辺りまで。
個別シナリオの積み重ねと言うちょっと珍しい形のＡＤＶと
言っていいと思います。
各イベントは長くても５分とか１０分で終わるレベルです。
ただ、イベントの総数は全篇含めて５２７と多大な数があるので
１プレイが短いと感じることはなかったです。

一長一短ありますが長としては社会人にとっては
やりやすいゲーム形態だと感じました。
よくＡＤＶで止め時がなかなか来なくてじわじわと夜更かしをして
翌日だるいということがありますがイベント単位が短いため、
止め時が容易でした。
短についてはシナリオと絡む部分になりますので後ほど
まとめて書かせていただきます。

では、次のポイントに話を進めます。
本ゲームの目玉、「告白システム」について。
告白システムとは好きな時に告白できると言うシステムです。
先にあげたように短いイベントの積み重ねである本ゲームでは
マップ画面でイベント選択が行われるのですが町マップに移動出来る状態では
常にこの告白が出来るシステムになっています。

あるようでなかったこのシステムが実に面白いです。
エロゲの中でよくある主人公に対しての「お前、どんだけ鈍いんだよ」とか
「この場面で押せば普通付き合うよね」というプレイヤーなりの
判断に水を差す展開にうんざりしたことは、ままあることでした。
そういった展開が自分は純愛ゲーの嫌な部分でもあったのですが
アクティブに「告白」出来るというのはすごい斬新だと思います。

勿論、その結果ふられることもありますし、ゲームなので
どうしても制約はつきまといますが、
自分が「エロゲのここだるいなー」と長年思ってきた
部分にピンポイントで来たシステムだったので
未完成なり問題ありでもチュアブルは良く考えたなと思います。
完成度なんかよりそういうシステムを盛り込もうと思う
チュアブルという会社の目の付け所、意気込みを評価します。

ただ、その多彩なシステムが問題がないともいえません。
ゲームを起動している時のＣＰＵやメモリーの占有率がかなり高いです。
うちのＰＣはポリゲー以外で処理落ちしたことは今までなかったのですが
長時間起動ていたりすると他のアプリの機動をかなり阻害していました。
本体推奨ギリギリのスペックでは長時間起動すると
大分厳しいことになるかと思います。
あと、バグ関連での吉里吉里のエラーもちょこちょこ起きています。
一回ゲームデータの破損も起きました。（バッチ1.3充て済）
アンインストール後、再インストールと少し前のセーブデータを
たまたま退避してあったので復帰できましたがこういうエラーは初めてでした。

○シナリオ○
話の大筋としては当初主人公に大きな問題が起きますが
その後暗いムードが続くということはなく概ね明るいゲームです。
ただ、選択したルートによっては終盤シリアスな展開になります。

個人的な評価としては
やる前：ジジ＞ミャンマー＞ハモ＞オトメ＞ピョン
終了後：ミャンマー＞ピョン＞ジジ＞ハモ＞オトメ

といった感じです。
オトメは他の面子に比べ今一からみが薄いとこと
終盤の展開の唐突さで割を食った印象を受けました。
ハモはメインヒロインっぽい位置づけですがシナリオが
大枠はともかく細かい部分が大雑把な印象をうけました。
ジジは全体の展開はあまり面白いと思いませんでしたが
小イベントは一番面白かったです。
逆にあまりシリアスにならずに前向きな展開が続いた
ピョンシナリオはみていて楽しかったです。
ミャンマールートは主人公とミャンマーの選択が
いかにもな感じでよかったです。

キャラ別を抜きにすると
各イベントは会話が非常に面白いと言うのが第一印象でした。
体感したこととして面白かったのは
自分は最初ハモに受けた感想は「うざい娘」と言う印象でした。
ピョンも魅力の乏しいキャラだなーという印象を受けました。
ただ、それが個別シナリオをしなくても数ヶ月時間が過ぎた所で、
妙に可愛く感じるようになっていました。
シナリオの妙としかいいようがありません。
何がといわれると非常に困ります。
オフィシャルに体験版も出ていますので未体験の方は
そちらをやってみるのが多分一番雰囲気が伝わるかと思います。

ただ、そのシナリオにもシステムとのからみで若干
残念な部分があったのも事実です。
小イベントの整合性が若干おかしかったり
告白イベントと通常の小イベントの雰囲気がずれていたり
と気になる部分が多々ありました。
ただ、修正パッチなどで少し改善されているようなので
そこら辺は今後に期待したいと思います。

○エロ○
全体的に少し短めな印象を受けました。
純愛ゲーにしては悪くないと思います。
内容としてはプレイの幅よりも衣装やシチュエーションに
幅を持たせてる傾向だと思います。
汁ッ気の表現がいい感じでした。
個人ベストはフェラしてるハモ。エロイです。

○その他○
・なんだかんだいってるけどキャラはみんな可愛いです。　
・歌がかなり聞き答えありました。
　リトルバスターズの人うまいです。
　Sugar+Spice!とSweet Sweet Holy Nightが良かったです。
・エンドロールが飛ばせないのがうざい。
　一度目はともかく何回も見せられると見る気はしません。
・ハモのファッションのアキバポップが未だに納得できません。
・会話シーンでハモがいるとメリハリが増すよね。
・倫ちゃんはエロシーンがあります。
・彩弥ねぇのエロシーンどこ？
・一沙は可愛いので全てを許します。
・ジジシナリオ以外のジジが割と怖い。情念の人。
・ジジ、イベント優遇されてるよねー。基本可愛いがデフォだし。
・ミャンマーの夏制服が可愛すぎる。
・ミャンマーの肝は四月を境に前後しての言動です。　
・マサムネカッコイイ。
・セリフがサラウンドで長回しするのは
　聞き入っちゃってクリックできません。

○総括○
チュアブルという会社の意気込みが伝わってくる作品。
買って損はないです。
大変楽しませてもらいました。
とりあえず次回作は発売日に買います。